2013.09.27 平成25年決算特別委員会〔24年度決算〕 (総括質疑) 本文

3 : ◯理事(大井としひろ)

◯理事(大井としひろ) おはようございます。民主党会派を代表させていただいて,一問一答形式で5件の質疑をさせていただきますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に,三宮の大改造についてお伺いしたいと思います。三宮の大改造については,これまではいつまでにという概念がなかったかと思いますが,今回,2020年東京オリンピックの招致が決まり,工事のスピードについても論議が必要でないかと思いますけれども,御見解をお伺いしたいと思います。
 また,JRと阪急が三宮駅の改装工事の計画を公表しましたが,三宮・元町の高架についても老朽化が著しく,安全対策が課題となっております。駅のリニューアルや三宮駅周辺の再整備を進める上で,本市においても三宮駅の地下化等の検討を行ってはどうかと考えますが,御見解をお伺いいたします。よろしくお願いします。

4 : ◯矢田市長

◯矢田市長 三宮駅の大改造について,いつまでに再整備を完了させるか,そしてまた高架下の考え等についてのお尋ねでございますが,駅周辺のこの再整備につきましては,本会議でも申し上げたとおりでございますが,やはりこの今ここのを考えてみますと,大震災で随分と復興にその精力を注がなければいけなかったという状況から,また,財政的な関係もございまして,少し他の都市のそういう整備と比較すると少しずれてきてしまったという点がございます。
 そういう点で,さらに今後の都市間競争,またこの魅力あるまちをつくっていくという観点から,今回の再整備につきましては,ターミナルの交通結節機能の向上ということとあわせて,まず駅周辺に集まる人をまちの中に送り出していくというポンプ機能も必要でございますし,また災害時に備えた防災機能も充実という点も重要でございます。こうしたこの機能を兼ね備えるということは重要でございますし,また玄関口でございますから,顔としての魅力をあふれるような空間として整備する必要があるということでございます。
 その際に,やはりこの三宮の駅だけではございませんで,周辺部分も含めた整備ということでございますが,その際,やはり将来に向けてのビジョンをつくっていくということが重要であると考えております。参画と協働というような観点からも,このビジョンの策定に当たりましては,地元のまちづくり団体でございますとか,あるいは周辺の地権者,またさまざまな関係者の御意見もいただきながら,ともにつくり上げていく必要があろうというふうに思っております。
 そうした中で,この事業がそれぞれございますんで,優先順位を検討しながらスケジュールを組み立てていくということが必要であるというふうに考えてございます。
 現状,例えばJRとか阪急がどういう形でおっしゃっておられるかという点につきましては,御案内でございましょうけども,この3月にJRは中期経営計画として三ノ宮駅の駅ビルの建てかえの本格的検討に入るということを表明されたわけでございます。神戸市としましては,先ほど申し上げましたように,将来ビジョンと整合するように,それを調整を図って協議に入っていくというふうに考えております。
 阪急は暫定のビルとして震災後,今の状況のものがあるわけでございますけれども,この建てかえの諸条件などの検討を行っているという段階でございます。神戸市としましては,早期にこの駅ビルの建てかえが進んでいくように働きかけをしてございます。
 それから,高架下の関係についてでございますけれども,JRはこの神戸線の高架構造物の耐震補強を行うというふうに言われております。また,阪急も適切に引き続いて高架構造物の維持管理を行うということで安全性を確保したいということでございますので,地下に潜っていくということについては,今のところ両者とも検討はされていないというふうに聞いてございます。
 そうした中で,この三宮駅周辺がですね,この神戸の玄関口にふさわしく,魅力的で風格のある都市空間の持てるようなものにしていくために,整備作業を急いでやっていくということが必要ではないかというふうに考えてございます。

5 : ◯理事(大井としひろ)

◯理事(大井としひろ) 最初の時間軸の関係のスピードの議論ということで,ちょっとお尋ねしたんですが,ちょっと答弁なかったんですけど,またよろしくお願いします。
 今,市長のほうから,駅にはポンプの役割をする必要があるとおっしゃられました。まさに三宮駅は神戸の心臓部であります。2020年といいますと余り時間もないわけで,限られておるわけで,やはり早い時期にこの全体像というか地域の整備方針というのはまとめていただかなければならないんではないかと思っております。
 特にデザイン都市・神戸にふさわしい三宮駅から都心ウオーターフロントへの回遊性の改善や,都市再生緊急整備地域として土地利用の規制の緩和や事業認可等の手続期間の短縮,民間プロジェクトに対する金融支援や税制措置などのさまざまな都市計画制度を活用していただきまして,民間の進出を促進していただかなければならないんではないかと思っております。多分,民間もこの黄金の7年といいますか,この7年というのは投資意欲も上昇されて,三宮周辺では多分ですけれども,高層ビルの建設ラッシュというようなことにならないかなと,なってほしいなとそんなふうに取り組んでほしいなと願っています。簡単で結構なんで,御答弁──最初の2020年というその時間という,スピードというのも必要ではないかという,そのことに関してもあわせてお願いします。

6 : ◯矢田市長

◯矢田市長 まず,先ほども御答弁を申し上げましたが,このさまざまな関係者がいらっしゃいますので,やはりこのまちというものは相当その原点の段階でよく練り上げておかないといけないということもございます。だから,そういう時間がどのぐらいかかるかということでございまして,そんなに長く行ったり来たりという状態では,やはりよくないというふうに思っております。ですから,できる限りこういう形で例えばJRがやりたいということに対して,我々のほうから申し入れをしておるような条件が具備されておるのかどうかということも検証しなければいけませんし,また阪急そのものが実際にどのような形でもって今の仮設状態の駅ビルを本格ビルにして,再生していただけるか,そして連結性を持って面的に広がりを持たしてやっていくということが重要であるというふうにも考えてございますので,そういう諸条件をまずベースに置きながら,そして周辺のこの商業者の皆さん,あるいは団体等と協議をして進めるということでありますから,このオリンピックに向けてというお話は,私も非常に大事な視点ではないかと思いますけれども,そこらのところでうまくすり合っていけば,そういうような状況についてはスムーズに動けば──動けば,その状況は期待できるんではないかというふうに思ってございます。

7 : ◯理事(大井としひろ)

◯理事(大井としひろ) ぜひこのビックプロジェクトをオール神戸で仕上げていただいて,若い優秀な職員の皆さん方もどんどん登用していただきまして,明確なビジョンを持って,そして風格あるデザイン都市・神戸にふさわしいまちをスピード感を持って,民間と一体となって取り組んでいただきたいなと思います。都市間競争に打ち勝つ神戸市の心臓部の整備を一刻も早く進めていただきまして,よろしくお願いしたいと,そういう要望をさせていただいて,次の質問に移ります。
 次に,観光施策の充実についてお伺いをします。
 観光施策は産業振興局で所管をされておりますけれども,市民参画局・建設局・都市計画総局・みなと総局・市長室・教育委員会などにも観光の視点が必要な施策が多々あります。ただ,観光施策の司令塔が見えてこないというような気もしておりまして,また,先ほども申しました2020年東京オリンピックが開催されるということを受けまして,本市でも全市を挙げて観光施策を進めていく必要があると思います。ただ単に観光地をめぐるというような観光だけでなく,最近は例えばハイキングやトレッキング,あるいはサイクリング,そういうものを目的として日本を訪れる外国人もふえておると聞いております。観光に健康と──健康増進というような視点を取り入れることも重要でないかなと考えております。
 そこで,御提案でございますけれども,観光・文化・スポーツなどに関する観光戦略を企画調整局で練り上げていただいて,全庁挙げて観光施策を進めていくというような必要があるんではないかと考えますけれども,御見解をお伺いしたいと思います。

8 : ◯矢田市長

◯矢田市長 従前から申し上げておりますが,私は観光コンベンションというのは神戸市の施策の中でもかなり重点に据えなければいけないというふうに申し上げてきたところでございます。そういう点では,この観光振興という点では,幅広に捉えて,やはりこれを組織を挙げて全市で取り組むということが当然におっしゃるとおりに必要でございますので,現状ではこの関係局のトップを皆集めまして観光コンベンションビューローをつくってございます。その組織のトップとして私がその席についておるわけでございますけれども,こうしたビューローそのものに関して,これからもさらにこの内容を強化する必要があるというふうにも思ってございます。また,この東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まって,当然に世界から日本,また日本の各地が多くの人々をお迎えするということになるわけでございますが,これはやはりチャンスでございますので,この効果をどう練り上げていくかという戦略も必要であろうと思ってございます。
 そこで,早速でございますが,関連部局の課長レベルで検討会を先日も開催をいたしてございます。この点については,現状は当面の検討課題,そしてまたこの共通して情報を持っておるということが狙いでございますが,その中でこのインバウンド対策も重要であるというふうに考えておりまして,その際にはやはり個人のこのトリップ客をターゲットにして,主にアジア圏の富裕層あたりの誘客を図るということが重要でございます。
 そこで,海外に向けて現地でこのPRをするとか,あるいは商談会とか,あるいは現地メディアをお招きしてこの情報を発信をしていただくというふうな取り組みを進めていこうということでもございます。また,このインドネシア・マレーシアといったムスリムの市場もターゲットにしてですね,プロモーションも展開を図っていこうというふうにもしてございます。
 言うまでもなく,観光は──観光コンベンションですね,これは21世紀のリーディング産業の1つでございますんで,そういう点からもこの都市イメージの向上という点からも重要であり,また地域の活性化にも重要であるというところで,さっき申し上げたビューローを中心としながら,そして組織を挙げて取り組んでまいりたいと思ってございます。
 そういう中で,この民間の事業者との連携というのも当然に必要でございますので,そういったところとも強力にこのネットワークを組んで,そしてこれらをやっぱりやり遂げていくためには人材が必要でございますので,官民挙げての人材確保という点と体制強化という点を主眼に置いてやらせていただきたいと,このように考えておるところでございます。
 健康という話もございましたが,例えば神戸マラソンをやっただけでも100億を超える経済効果が生まれるわけでございますから,こういう点ではいろんな工夫をしながら,やっぱり誘客という観点からの取り組みをこれからもふやしていくということが必要ではないかというふうに思っています。

9 : ◯理事(大井としひろ)

◯理事(大井としひろ) 今,市長からもチャンスというような言い方で,オリンピックが2020年っておっしゃられましたけれども,やはりこの日本国中が今沸き返っておるというか,多分全国の自治体も我も我もとそうお考えだと思います。そういうことを考えますと,神戸も乗りおくれてはならないわけで,チャンスは有効に生かしていかなければならないと思います。そういう意味から考えますと,先ほどもムスリム市場にターゲットとかいろいろおっしゃっていただいて,スポーツの話もしていただきました。やはり戦略的なビジョンを持って取り組んでいただいておるなと思っておりますけれども,やはりそこには以前であれば観光──文化観光局というようなそういう局があったわけでございますけれども,最終的には今はそういう形ではないわけで,旗振り役の司令塔が,戦略的な観光政策を進めて行えておるのかなとちょっと危惧もしておりまして,そういうことで,やはり全庁的に課長の皆さんが集まってということでありますけれども,やはりその上に旗振り役のそういう推進──エンジンというんですかね,そういうところがやはりないとどうなのかなと思っておりまして,そんなことを含めて,前回の反省点も含めてちょっとだけで結構ですから,御見解ありましたら。

10 : ◯矢田市長

◯矢田市長 この点につきましては,別に観光コンベンションに限りませずに,例えばこの本部体制をしいたりしてやっておる事業もございますし,またプロジェクト単位にこういう施策を推進をしようということでやるものもあると。その中のプロジェクト単位でやるものの1つとして,さっき申し上げたビューロー組織があるわけでございますんで,これは手法の問題でございますので,確かにかつてこの文化観光の局をつくろうという声をいただきまして,そういう中でつくったわけでございますけれども,やはりこの組織全体のスリム化というふうな点も踏まえて,結果的に集約を図ったわけでございますけれども,これは実際に中身はどうかというと,それは決して損なわれたわけではございませんので,今後もビューローを中心にしまして,大いにこの能力を最大限発揮するようにしたいというふうに思っております。

11 : ◯理事(大井としひろ)

◯理事(大井としひろ) ありがとうございました。
 ぜひ都市間競争に打ち勝つ観光施策の推進をしていただきまして,戦略的なビジョンを持って,全庁挙げて取り組んでいただけるよう要望させていただきます。
 それでは次に,ニュータウンのオールドタウン化対策についてお伺いしたいと思います。
 須磨北部を初めとした住宅団地においては,人口減少・高齢化によるオールドタウン化が喫緊の課題となっております。局別のみなと総局の審査でも今年度庁内の関係部局がプロジェクトチームを構築して,今後のニュータウンのあり方や対応策等について検討を進めるとお聞きをいたしましたが,神戸市の発展のためにニュータウンにおけるオールドタウン化問題について,抜本的な対策と大胆な見直しが必要ではないかと考えておりますが,御見解をお伺いしたいと思います。

12 : ◯矢田市長

◯矢田市長 おっしゃるとおり,このニュータウンのオールドタウン化というのは,本当に喫緊の課題であると思っております。これは単に住宅のリニューアルという点だけにとどまりませず,実はニュータウンをつくる際には多大な,いろんな面の資本投下が実はなされております。これは民間の資本の投下も含めてでございますが,そういうものが実際にこの形態が変化をするに従って,構造的に変わっていくということが実は考えられるわけでございまして,そういう点をやはりこれ何とかしないとその投下した資本自体が劣化してしまう,あるいは無駄になるということすら考えておかなければいけないというふうに考えております。
 今,この神戸がこの市内でつくっておりますニュータウンというべき団地として,51の団地を一応,今,拾い上げております。そこには世帯数でいいますと──世帯でございますが,大体175,000ほどの世帯があります。これは順次年次を追ってやっていくべきでございますので,一括して全てがオールドタウンというふうには申し上げないわけでございますけれども,そういうようなまちづくりをしてきたという経緯がございますので,特に昭和30年代以降にあるいは40年代あたりですね,大量にこのつくってきました住宅団地は,理事御指摘のとおり人口減少あるいは高齢化,またこの住まいの大きさと住んでいらっしゃる方とのバランスの関係がどうもそぐわないというふうな状況もございまして,そういう点でこういうものが俗にオールドタウンというふうにも言われるわけでございますけれども,この点でことしの予算でも御提案申し上げましたけれども,私はこのニュータウンのリノベーションというふうに申し上げましたけれども,これはとにかく若年世帯を呼び込んでこないことには,この今の新しいまちづくりに向けての取り組みというものが,現状,少し手を加えるというんではだめだというふうに思っておりまして,根本的にやはりそこを変えていくということが必要であろうということで,御提案をしたわけでございます。ですから,まちの形態そのものが単に住宅にとどまりませず,その中におけるアクセスの問題とか,あるいは子供のための施設でありますとか,さまざまに変えていかなければいけないものがあろうというふうに見てございます。
 そうした中で,例えばこの商業施設なんかも巨大なものをつくっているニュータウンもあるわけでございますけれども,そういうところのやはりこの機能というものがだんだんと縮こまっていったんではなかなかそのまちの蘇生としての形態に支障を起こしていくと。だからそうならないように,やはりこの消費者である方々の住みかえというふうなものも考えながら,呼び込みを図っていくという意味でリノベーションというふうに申し上げたわけでございますけれども,こういうようなことをやはり的確に進めていくためには,組織を挙げて取り組んでいく必要がございますので,ことしの4月から横断的検討体制ということで,企画調整局・都市計画総局・みなと総局,また区役所といったふうな庁内の横断的検討体制が既に立ち上ってございます。そういう中で,先ほど来申し上げておりますような課題の整理をして,そしてまた,他都市でもこういう状況で取り組みが進んでございますので,そういうものも実例として参考にしながらやるということも必要であろうというふうに思ってございます。
 当然に人は暮らすわけでありますから,ハードからソフトまで全てにおいてそういうような配慮がなされるまちとしてやり遂げていくということが重要でございますので,これは本当に少し時間のかかる大変な作業であるというふうに認識をしてございますけれども,これはやっぱりやり遂げていかないことには,都市そのもののリノベーションというふうには向いていかないわけでございますので,ぜひこういう施策の実施に向けまして,御理解をいただけるように住民の皆さんにもそういう意見を聞きながら,そしてこの地域地域の特性がまたございますので,それに合わせた形でこれらをやり遂げていきたいというふうに考えております。

13 : ◯理事(大井としひろ)

◯理事(大井としひろ) 少し須磨の話をしますと,須磨はもともと神戸のベッドタウンとして栄えてまいりまして,たくさんの方々が須磨にはお住まいいただいて,実は須磨の北部がいわゆる「山,海へ行く」という形で,須磨の山を削ってベルトコンベヤーで須磨海岸で盛って,ポーアイなり六甲アイランドができたわけですけども,その削った後にできた町々がいわゆるニュータウンという須磨の町でございますけれども,開発されて40年近くがたちまして,まさに今オールドタウン化している。
 実は,震災前,阪神・淡路のあの震災前の人口に,いまだに須磨の人口は戻っておりません。最近では人口もまだ減ってきておる。ただ,須磨の南部,須磨海岸べりには超高層のマンションなり,結構集合住宅がどんどん建設されておりまして,若い方々がどんどん移り住んできていただいておるんですよ。にもかかわらず,いまだに人口がふえていないということは,これ裏を返しますと,どんどん須磨の北部のニュータウンの人口が減ってきておるということなんですよ。これは,オールドタウンというだけではなくて,ゴーストタウンというようなことにまでなりかねない,そういう状況にまできておると私たち地元の議員は思っておるわけです。
 それで,東京の多摩ニュータウンなり大阪の吹田の千里のニュータウン,ああいうところに行きますとどんどんいろんなことをやっておられるというのは,インターネットでいろいろ見ますとね,私たちも東京・多摩の現地も見せていただいて,古い市営住宅を民間でコンペに出されて,すばらしい住居に生まれ変わっておるのを,目の前で見てきましたけれども,やはり神戸市もやっぱりそういう具体的なこともやっていただかないけないんではないかなと思っております。
 東京や大阪では再生連絡協議会というようなものをつくっておられて,行政・住民・NPO,あるいは事業者の皆さんがそれぞれの立場で連携して再生の推進をする取り組みが行われておるわけです。須磨でももうお父さんの代から息子さんの代に,第2世代に移り変わってこられましてね,若い方々は今の古い建物をもう少しリニューアルして建てかえて,その高さも上に積み上げていただけるような建物にして,そして,お金のかからないようなリニューアルなんかできないだろうかと,そんなことを考えておられる方々もおられるわけなんですよ。やはりまだまだ素人というかそういうことなんで,なかなか思っておられてもそれは口には出して,私たちにはおっしゃられますけど,さあというといろんな問題があるなということなんで,ぜひそういう人たちとも一緒になってこの町をリニューアルする,イノベーションとおっしゃいましたけど,ぜひそういうことを,これもやっぱり言うだけじゃなくてスピードだと思います。ですので,ぜひその辺も含めて,もう1度市長,簡単で結構なんで御見解いただけますか。

14 : ◯矢田市長

◯矢田市長 今,御質問にございましたけれども,須磨の場合はとにかく人口が着実にふえておったわけでありますけれども,今の時期見ておりますと,本区のほうでは人口がふえておるというのは今御指摘のとおりでございまして,特にニュータウン部分のところで変動が起こっておる。特に人口集中の度合いの高い須磨ニュータウンのほうの例えば名谷とか落合とかのようなところだけ捉えてみてもですね,相当地域によって差があるということでもございます。
 ですから,こういうところはやはりまちの核でございますので,これをいち早く目をつけてそこの合意をとりながらやっていかないと,時間が経過する段階で気がついたらもう遅かったというようなことになってはこれ元も子もありません。ですから,何度も申し上げますが,一方で巨大な実は資本投下をしておるわけでございますので,そういうものをやはり有効に使っていくということが重要でもございますので,おっしゃられますように,この建物そのものも今の住宅として存在しておるものが果たして若年世帯の人の意向に沿ったものであるかというふうに考えますと,これは決してそうは言えない部分があるわけでございますので,やはりそういうようなところを順次協議しながら手を入れていくということで,そして投下した資本が有効に使われていくような形態というものを守っていくということが,私は大変重要であるというふうに考えております。
 一方で,当然に高齢化は進んでいきますので,これから進む対策についてもその中で十分に視野に入れながら,検討をする。ですから,必要な施設等が──高齢者向けの施設が必要であれば,そのニュータウンの中にそういうものもさらにふやしていくということも必要でございましょうし,一方で若年世帯に向けてのそういう環境なり,あるいは施設というものについても考えておくということは大変重要であるというふうにも考えてございますので,ぜひですね,これを総合的に──やはりこれらについての対応をこれを早く手をつけていきたいというのが,ことしの予算で御提案したその1つの端緒でございますので,ぜひこれについては順次進めさせていただきたいという点で御理解を賜りたいと思います。

15 : ◯理事(大井としひろ)

◯理事(大井としひろ) ありがとうございました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。やはり,若い人が移り住んできていただくような,そんな施策も必要だと思いますし,私たち現役世代もお年寄りの方々も,それから子供さんや障害のある人たちもみんなが一緒になって住めるような,そんなニュータウンにぜひしていただきたいと思います。
 できましたら,先ほど申しました協議会というんですか,住民・事業者・行政の皆さん方が意見交換ができるような──そんな情報交換ができるような協議会をつくっていただければなと要望して次の質問に移りたいと思います。
 次に,外航船員の優遇税制についてお尋ねをしたいと思います。
 海洋貿易立国であります日本の国際海上物流を担う日本商船隊は,約2,300隻の船舶に船員の皆さんが約6万人乗船されておりますが,そのうち日本人外航船員は約2,400人,昭和47年当時は約5万7,000人おられたそうですが,今では2,400人というような数字が現実でございます。この外航船員の皆様が1年のうち7カ月程度乗船して長期不在を余儀なくされ,住民サービスが制約されておられます。国際情勢に左右されず経済を安定的に支えていくには,日本人船員の増加というのは重要かと考えます。他都市では自治体の判断で住民税の減免を実施しようとしているところがあると仄聞をしております。本市でも自国船員比率の向上を図るため,また国際貿易に従事する船員の皆さんに対して,政策減税を実施することによって,魅力的な神戸の港づくりを進めることができるのではないかと考えますが,御見解をお伺いしたいと思います。

16 : ◯小柴副市長

◯小柴副市長 船員の確保,あるいは就業環境の改善につきましては,我々も大変重要な課題であると認識をしておりまして,本市及び関係団体が連携しながら海事教育を推進する等,海事分野での人材確保に向けた取り組みを行っているところでございます。
 外航船員の優遇税制に関する他都市の例につきましては,6カ月以上乗船して勤務に従事する外航船員は,その間,国内外での行政サービスを受けられないとして,平成26年度課税から住民税の均等割の2分の1を減免する制度設計を進めている市があるというふうに聞いております。
 しかしながら,本市に住所認定をされた方には,本市の住民税が,また,国税として所得税が課税されるのが税法上の基本的なルールであると考えておりまして,このことは他の長期海外勤務商社員等についても同様でありまして,外航船員のみについて異なる取り扱いを行うことについては,大変難しいんじゃないかなというふうに考えております。
 委員御指摘の日本人船員をふやすという目的を,仮に税制面から対応するということであれば,一地方団体の住民税だけでなく国税も含めた国全体で対策を行うべき問題ではないかなというふうに認識しております。
 以上です。

17 : ◯理事(大井としひろ)

◯理事(大井としひろ) もう少し前向きの御答弁をいただけるかなと期待もしておったんですけれども,まだまだ道遠しというような感じでおります。
 昔,神戸にはたくさんの船長さんがお住まいでございました。これは先ほど昭和47年には5万7,000人と申しましたけれども,それぐらいの乗組員がおられて,神戸・横浜にはそういうたくさんの船乗りの方,船長さんがたくさんお住まいでございました。これは,船会社が会社の施策としていろいろなところに散らばっておられた皆さん方を頻繁に入ってくる港の神戸と横浜に集中的にいろんな施策で優遇,ローンのお金を,金利を安くして貸すとかいろんなことをされて,神戸にはたくさんのそういう方々がお住まいでございました。それで,今ではもう皆さん高齢になっておられまして,私たちは奥様方ともよくお話をさせていただく機会がありましたんで,そういう方々が神戸にはたくさんおられたんですよ。それが,やはり港神戸がもって来た大きな力にもなっておったわけなんですよ。だけど,最近はそういう施策がなくって全国に散らばっておられるようで,なかなか神戸で船長さん見つけるのも大変なぐらいになっておるようですけれども,そういう意味でいきますと,やはり神戸は港神戸でもってきたわけなんで,他の都市がどうとかいうのではなくって,やはり神戸が率先してこの船乗りさんの皆さん方をぜひ神戸に住んでくださいと,そして,神戸はこれからも立派な港として栄えてまいりますからどうぞ来てくださいと,そういう思いも込めてこの優遇税制というのを取り組んでいただければなと。先ほど副市長からそういう厳しい御答弁をいただきましたんで,これ以上のお話はなかなかいきませんけれども,これからもこの件に関してはいろいろとお願いもさせていただき,何とか他都市に先んじてこの辺のことが神戸がやっていただくと港神戸,やっぱり神戸のまちは港やな──船長さんや船乗りさんがたくさん移り住んできていただける,そんなまちになるのではないかと思いますので,ぜひそんなことも込めて要望させていただきたいと思います。
 最後の質問でございますけれども,老朽設備の更新ということで,御質問をさせていただきたいと思います。
 局別審査において水道・下水道の経年管更新に関する状況や市内の照明柱や天井板など,高度成長期に設置された構造物,インフラに関して事故発生時の状況や原因分析,対処などについてさきの決算の局別審査で質問を行っております。例えば,照明柱では点検により──全体で約1万8,000本の照明柱が設置されておりまして,このうち腐食などにより倒壊のおそれのあるものも41本あったそうで,撤去されたようでございます。残りの44本も撤去予定と伺っておるわけなんですけれども,今後,この老朽したインフラ設備の事故はますます危険度が高くなってくるわけでございます。また設備更新の費用も必要とされる状況でございます。まずは老朽設備がどういう状況で事故を受けての対策,今後必要となる施策等,市民への徹底した広報が必要と思われますが,御見解をお伺いしたいと思います。
 また,さらにこうした状況を抱える部局の技術担当,工学系の学識経験者,及び財務の担当者を交えた経年化設備更新の検討会議を設けてはどうかと考えますけれども,その辺の御見解をお伺いしたいと思います。

18 : ◯小柴副市長

◯小柴副市長 確かに理事の御指摘のとおり,橋梁あるいはトンネル等の道路構造物や,上下水道設備につきましては,高度経済成長期に整備されたものが多く,老朽化が進んでいると考えられるということで,市民の安全・安心を守るまちづくりの一環といたしまして,今後,老朽化対策がますます重要になってまいります。
 そこで,例えば道路構造物につきましては,当面の対策といたしまして集中的に緊急点検及び補修等を実施いたしまして,安全性の確保を図っているところでございます。また,橋梁につきましては平成20年度に,トンネルにおきましては平成24年度に長寿命化修繕計画を策定するなど,中長期にわたりまして道路構造物の安全性・信頼性の確保に努めているところでございます。
 また,水道につきましては,配水管網再構築計画立案システム,いわゆるP−DESと呼んでおりますけれども,これを活用いたしまして,経年化だけではなくて重要度あるいは健全度,代替性・耐震性なども考慮いたしまして,優先順位を決定するとともに,投資の平準化も図りながら進めているところでございます。
 下水道につきましては,震災以降,計画的な下水道管渠の調査を実施いたしまして,緊急性の高いものから改築・更新を行っております。特に汚水管渠につきましては,改築・更新基本計画を平成22年度に策定いたしまして,平成23年度から本格的に改築・更新事業に取り組んでいるところでございます。市民への広報についてでございますけれども,インフラの老朽化対策を進めるためには,市民の御協力と御理解が必要であると認識しており,例えば橋梁につきましては,神戸市のホームページにおきまして,老朽化の状況や橋梁長寿命化修繕計画の目的,方針及び効果などを掲載しているところでございます。また出前トークや市民応援団であります神戸水道アドバイザー,下水道アクアサポーター等の市民と接する機会を活用いたしまして,老朽設備の更新の重要性につきまして,PRに努めているところでございます。
 しかしながら,ホームページなどの活用が十分ではないこともあると思っておりますので,今後よりわかりやすい,市民へ広報できるように工夫をしてまいりたいというふうに思っております。
 御指摘の経年化設備の更新検討会議についてでございますが,道路構造物や上下水道の設備の構造は設備により大きく異なるということで,総括的に老朽化を検討するのではなくて,それぞれの設備に応じて老朽化対策を進める方針でございます。
 なお,改築・更新計画を策定するに当たりましては,道路構造物につきましては,構造物ごとに学識経験者から意見聴取を行うなど,工学的な知見から助言をいただいており,財政状況も勘案しながら策定しているところでございます。照明柱につきましては,今後維持管理計画を策定していく予定でございますが,このような観点を踏まえながら計画策定に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 また,上下水道事業における施設の改築・更新につきましては,工学系や経済系の学識経験者や市民の代表を委員といたします神戸市上下水道事業審議会におきまして,重要事項として審議をいただいているところでございます。今後も同審議会の御意見も踏まえながら,計画的な施設の改築・更新の実施に向けて検討を行ってまいりたいというふうに考えております。今後も引き続き改築・更新計画の見直しを行う際には,各分野ごとの専門家などの意見も十分取り入れ,事業効果が確実に発揮されるよう,PDCAサイクルに基づく運用を的確に行いながら,必要に応じて御指摘の会議等の設置につきましても,検討をしながら道路構造物を初めとしたインフラ設備について,健全に管理をしてまいりたいというふうに考えております。
 以上です。

19 : ◯理事(大井としひろ)

◯理事(大井としひろ) この種の案件というのは,やはり費用がかかるということは十分承知をしておるんですけれども,やはり私たち神戸市ということでいきますと,市会もそうでしょうけれども,市民の皆さん方の安心と命を守るというのは,やはり一番大きなテーマなわけで,そういう意味からいいますと,最近も私の須磨区でも北須磨文化センターで天井から物が落ちたと。ただ,人には当たらなかったんで不幸中の幸いではあるんですけれども,万が一です,万が一そこでバレーボールをしていた子供たちがおったり,卓球をしている御父兄,お母さん方がおられて,万が一けがをしたら,これはもう取り返しのつかないことになるわけなんですよ。そういうことから考えますと,これはやっぱりお金がかかっても危ないところというのは徹底的にチェックをしていただいて,そして市民の皆さん方にもお金はかかるっていうのをよく理解をしていただくようなそんな広報も必要やと思います。
 そして,優先順位とおっしゃられましたけれども,優先順位というよりも市民の安心・安全を大優先にしていただいて,一斉に危ないところは徹底的に対策をする,最終的には抜本的な改革という形で橋をつけかえるとかそういうことをしていただかなければいきませんけれども,そこのところはないことによって,いろんなところでトンネルの事故やいろんなことが──幸い神戸市では起きておりませんけれども,やはりそういう人身事故があってはならないわけで,ぜひそこのところをよく考えていただいて,もう少し前向きに,どういったらいいですかね──お金が要るっていうことで,お金がないからということで済まされない問題なんで,そこのところはもう少しお考えいただけたらなと,よろしくお願いしたいと思います。市民に理解がいただけるような,そんな広報をしていただいて,よろしくお願いしたいと思います。
 もう時間もありませんので,まとめに入りたいと思いますけれども,今回,矢田市長と質疑も私にとっては最後になりまして,今回市長とこういう形で総括質疑ができまして,私にとってもいい思い出になりましたし光栄でございます。長い間お疲れさまでございました。
 市長におかれましては,ぜひ健康に御留意をしていただいて,毎日は大変でしょうけれども,たまには神戸市役所にお越しいただきまして,これからの神戸市政について大所高所から御助言をいただけましたらと思っております。
 まだもう少し期間がありますんで,思う存分,残すところ遺憾なく力を発揮していただいて,これからの神戸のまちを,これからも温かく見守っていただいて,私たちも議会の立場で一生懸命頑張ってまいりますので,ぜひこれからも大所高所から議会に対してもアドバイスなり,また御助言もいただけますように,また私たちも相談に行くかわかりませんけれども,そのときにはぜひよろしくお願いをいたしまして,私の代表総括質疑,終わりたいと思います。ありがとうございました。