それでは,大井委員。

◯分科員(大井としひろ) それでは,よろしくお願いいたします。一問一答でお願いいたします。
 三宮周辺地区の再整備について,先ほどから何度もお話が出ておりますので,重なっている部分は除かせていただいて,質問させていただきたいと思います。
 この9月3日に,神戸の都心の未来の姿将来ビジョンが発表されました。このビジョンの中で,神戸らしさというか,神戸らしいと。瀬戸内海と六甲山に囲まれた美しいまちを守り育て,都心の魅力と景観の維持・向上を図るため,建築物の高さなどの規制・誘導に取り組んでいくことが示されました。また,一方,玄関口となるエリアでは,商業業務機能の集積を促進し,都市の魅力と風格を感じさせる顔づくりを目指すとともに,商業業務機能と居住機能が共存するエリアについても,都心の魅力とにぎわいの維持・向上につながるような都心居住を促進するということでございますけれども,仮に業務機能のみを集積すると,週末には人がいなくなり大変寂しい空間となります。また,住宅機能のみとなった場合にも,にぎわいに欠ける空間となってしまうわけですが,元県知事の亡くなられた貝原さんと,私,もともとスペイン協会というようなところで何度か御一緒させていただきまして,貝原さんがよくおっしゃっておられたのが,パリのシャンゼリゼ通り──私もパリのシャンゼリゼ通りを歩いたことありますけれども,このパリでは,1階部分に喫茶店やレストランやいろんなお店があって,そしてその上の上層部に住居部分があると。貝原さんは元町あたりにお住まいでおられまして,そういう元町かいわいがそういう雰囲気があって,1階部分はそういう喫茶店やそういうレストランが並んでて,自分は上に住んでると。ふだん,お客さんが来ても上に上がるんじゃなくて,下で用を済ませてというようなことで,大変住みやすい,いいまちだと,いつも常々おっしゃっておられました。そういう,いわば住みやすいまちづくりというのを,ぜひ取り入れていただいて,また三宮周辺地区の再整備に当たっては,都心居住に対する需要が一定ある中で,景観の観点から高さの規制・誘導での制限のみでなく,歩く際の目線となる1階部分の景観にも配慮をしていただいて,にぎわいのあるまちづくりの形成を図っていくべきでないかと考えるんですけど,その辺のところを御見解をお願いしたいと思います。

◯山崎住宅都市局長 三宮の再整備構想の中で,やっぱり景観をいかにつくっていくのか,こういうことが非常に大事だということで,そういった項目についても重点的に書かせていただいたわけなんですけども。御指摘いただきましたように,景観の面では,1つは建物の高さですね,これをどうしていくかということがございます。これにつきましては,神戸の特色であります六甲山の山並み,これを背景として広がる市街地景観ですね,これを保全をしていくと,そういう取り組みといたしまして,景観法なり都市景観条例ですね,そういった規定に基づいて高さの規制の基準を,平成22年の7月から施行しておるところでございます。それから,1階部分のにぎわいと,こういう点に関しましても,ビジョンをつくる際にいろいろ議論になってます。特に都心居住というようなことが最近進んでおりまして,そうは言いながら,都心の真ん中でマンションができて,1階がマンションの玄関だということになれば,それはにぎわいとしてどうなんだというようなことがあるんではないかと,そういう議論もございまして,そういう議論も踏まえて,やはり玄関口となるエリアについては商業業務施設を集積をすることで,都市の魅力と風格を感じさせる顔づくりを目指すと。一方,商業業務と居住機能ですね,これが共存するようなエリアについては,都心の魅力とにぎわいづくりの維持・向上につながるような都心居住と,こういったあり方も考えていかないといけないということで,やはりバランスをとっていくということが非常に大事ではないかなというふうに思ってございます。
 そういった中で,バランスをとりつつにぎわいを出していくということでございますが,委員御指摘のとおり,歩く人の視界に入りやすい部分でのにぎわいづくりと,こういったことが非常に重要であるというふうに考えてございまして,これまでも三宮駅の周辺で地区計画をつくっておるんですけれども,この地区計画では1階,または1・2階に住宅の用途規制をすると。地域主体でにぎわい施設の誘導をすると。地域が発意して,建物を建てるときにはちゃんと1階ににぎわい施設をつくってくださいよと,こういう誘導をやると,そういう取り組みが行われたところでございます。将来ビジョンにおきましても,やっぱり低層部に店舗やギャラリーなどのにぎわい施設を生む施設を誘致するということで,非日常的な空間を創出するということにさせていただいております。
 三宮周辺地区につきましては,道路を人と公共交通優先の空間とすると。建物の低層部について,内部のにぎわいが見えるようなデザインにすると。活気あふれる駅前景観を形成すると,こういうことを方針として掲げさせていただいておるところでございます。こういったことは具体化をしていくために,今後検討してまいります景観デザインコードですね,これの中におきましても,こういった内容を盛り込んでいきたいというふうに考えてございます。今後につきましては,市民と事業者,行政が,神戸らしい海と山に囲まれた景観の維持,それから都心の魅力,にぎわい向上と,こういった将来像を共有をするというようなことで,民間開発のプロジェクトとも計画調整をしながら,デザイン都市・神戸の玄関口にふさわしい景観形成に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

◯分科員(大井としひろ) 今のお話で,今,三宮というか,中央区には人がどんどん集まってきておるんですね,人口の移動という形で。私は須磨区ですけれども,須磨は御存じのように消滅可能性都市ということで,どんどん人口は減っておりますけれども,中央区にはふえておられる。そして,中央区のほうは,お若い方だけでなく,高齢者の方々もどんどん移り住んできておられる。先ほど,貝原さんのお話じゃないですけども,そういう便利なところで,高齢者の方々も,もう車も必要ない,そして下に行けば食べ物も自由に食べれる,そして歩いてどこへでも行けるというような,大変便利がええということで,高齢者の方々もこの地域にはお住まいに,また新しいまちをつくった──まちというか,そういう都心の整備をされますと,来られるわけです。そういう高齢者の方々のこととかというのは,どっかその辺にアイデアというか,何か考えているようなことはありますか,ちょっとお尋ねします。

◯岩橋住宅都市局計画部長 ビジョンなり三宮再整備の基本構想の中では,人に優しいというようなことで空間をつくっていこうというような形で考えてございます。それは,まさしく人というのは若者,高齢者たがわず,皆さんに優しいというような形で考えておりまして,特にそういう空間づくりの中では,例えば緑陰ですね,木の陰になるような歩き方であるとか,あるいはベンチを配置してたたずめるような空間をつくっていくとか,そういったことをビジョンなり構想に盛り込んでございます。そうすることが,人と公共交通に優しい中心のまちにしていくというようなことで描いてございます。

◯分科員(大井としひろ) 少し観点を変えてお話をさせていただきます。三宮周辺の再整備基本構想では,既存の駅の改札口というのは現状のままということで想定されておられるわけですけれども,以前にも本会議で矢田市長にも,久元市長にも御質問もさせていただいたんですけれども,JR,阪急の高架というのが,もう戦前から多分──戦後かな,70年前後たっておるんだと思いますけども,もう老朽化しておると。この高架の安全対策という意味じゃ大変な課題になっておるんだと思います。よく頭上からコンクリート片が落ちてきたとか,そういう話もよく聞きますし。この高架の対策というのは,最終的にはJRさんでしょうし,阪急さんなんでしょうけれども,やはりこの辺のところは神戸市としても考えていかなければならない問題だと思います。今後,この安全対策を進めるということになりますと──阪神電鉄の連続立体交差事業というのを後で聞きたいんですけれども,長期にわたって工事が行われておられますよね。ああいう形で,三宮のあの中心街で,こういう阪神電鉄がやっておられる連続立体交差のああいう工事が果たしてできるのか。そして,ましてやあの三宮のど真ん中で,20年も30年も工事が続けられるのか,そんなことを考えていきますと,やっぱりいろんなやり方を考えないと,工夫しないといけないと思います。
 以前にも本会議で質問させていただいたんですけども,東京の渋谷,渋谷は東横線というのが走っておりまして,この東横線が地上2階の駅が一夜にして地下5階の駅にすり変わったと。それは,8年間,1.5キロ前後の地下にトンネルを掘りまして,そして車両を地下に入れたと。まさにこういう──ストラム工法と言うんですけれども,こういう今はふだんの風景でいいんですけれども,この間に7年か8年か10年かわかりませんけれども,その間に地下にトンネルを掘って,この高架の車両を地下に入れるというようなことをすれば,20年間,三宮のあの周辺が,工事で立ち行かなくなるようなことにはならないと思うんですけども,そういうことっていうのはどうなんでしょう。

◯岩橋住宅都市局計画部長 三宮再整備基本構想なり将来ビジョンをつくる前提のお話でございまして,実はJRなり阪急,例えば地下化するようなことをどう取り扱うのかというような御質問かと思います。昔は地下化というようなお話があったというふうには,私,記憶しておるんですが,ただ,そういうことをしますと,その地下化をするだけで物すごい年月がかかってしまうということもございまして,現在,ビジョンとか再整備基本構想につきましては,現状の時点の改札なり駅の形で考えさせていただいてございます。それは,今,委員御指摘のとおり,それをするだけで20年とか,かかってしまうと,全然,ビジョンとかをつくる前提条件が変わってしまうというようなことかと思います。
 三宮駅を地下にしてはどうかということでございますが,駅を地下化するということは,線路自身全体を下げていく必要がございます。ストラム工法,一夜にして地下駅,地下鉄になったという,あの渋谷と代官山のことかと思うんですが,実際,シールドトンネルを長いこと掘って,切りかえは一夜でできるというような工法かと思いますが,その線路を下げる作業というのはかなり大変になってきます。三宮の今,高架がございまして,多分,地下駅にするとすると,20メートル以上線路を下げないといけないということを考えますと,その影響というのは,多分かなり長い区間に影響するというようなことで,線路の前後部とか,それから恐らく元町駅あたりまで影響が及んでくるんではないかと考えられます。そういうことを考えますと,大規模で長期的な事業というようなことでございますので,それはビジョンとか構想の前提にはしていないということでございます。
 それから,JRさんの高架の件でございますが,年月がたってますから老朽化しているということでございますが,耐震なんかの安全性については問題ないというようなふうに話としては伺っているんですが,ただ,構造物ですので経年変化がございますので,今後,長寿命化という,やっぱりこれを長く使っていくための工夫ですね,そういった工事はしていかなければいけないというようなことで進めていくんだというような話を伺ってございます。JRさんは地下化なんかは,JRとしては考えていないというようなことでございます。ただ,それにしても工事が行われますと,地上部の回遊性とか,にぎわいとかいうようなことの影響は,もちろん考えられるわけでございますので,それはそういったことの影響のないように,あるいは周辺の回遊性とか,そのにぎわいを妨げないような取り組みは,我々としても考えていきたいと思ってございます。

◯分科員(大井としひろ) ちょっとお尋ねしますけれども,阪神電鉄の連続立体交差の工事ですけれども,どれぐらいの期間かかっておるのか,ちょっと教えていただけますか。

◯谷口住宅都市局市街地整備部長 平成3年から着手しておりまして,現在で24年ほど。ただ,さらにこれから6年ほどかかりますので,約30年ぐらいの事業期間となると思います。

◯分科員(大井としひろ) あの大石のあたりで30年かかるんです。三宮のあのど真ん中で30年工事をするということになりますと,大変なことになると思いますよ。そういうことを考えると,もともと神戸市は阪急もJRも地下で入ってきてほしいというのは,議会でも昔のあれを見ますとね,お願いしておったようです。最終的に入ってきていただいたのは阪神電鉄だけで,JRはその当時は,やっぱり旅は車窓から見て,初めて列車の旅やということで譲らんかって,上に高架で入ってきたというのは聞いております。それを見て阪急も,同じように入ってきたと聞いておるんですけども。今,新幹線,私たちが乗っている新幹線,新神戸のあたりを見ますと,皆トンネルで,なかなか車窓っていう雰囲気じゃないですよ。これから始まるリニア新幹線,もっとトンネルだらけの,そういう時代になってくるんですよ。そういうことを考えますと,やっぱりJRさんも,特に阪急さんは相互乗り入れということで,地下に入ることにはやぶさかじゃないんだと思います。今みたいなお話を聞きますと,30年間あそこで工事して,がちゃがちゃして,果たしてどうなるかと。長寿命化とかおっしゃられましたけども,あの高架はそんなにもう寿命はもたないと思いますよ。そういうことを考えると,やはり地下に入って,今の間にトンネル掘って,一気に地下に車両を入れる。そうすると,上にはたくさんの空間ができるんですよ。これをどうしようかというようなことも考えられるわけで,そういう私の意見というか,こういうことについては,JRさんがどうとかおっしゃられましたが,神戸市としては誘導していくおつもりはないのでしょうか,お尋ねします。

◯岩橋住宅都市局計画部長 現在聞いておりますJRの長寿命化ですね,今のものを長く使うという工事については,その阪神の連続立体ほど期間もかかるし,そういう工事ヤードを大変たくさんとってやらなければいけないというふうには聞いておりませんので,それがどれぐらいかかるかというようなことも,今後,確認していきたいと思います。ただ,先ほども申しましたが,地下化するというのは,駅1つを地下化するんではなくて,線路自身をぐっと長い区間を下げていかなあかんというようなことで,それ自身ももう非常に大きな工事にもなりますし,膨大な事業費がかかります。そういったことについては,現時点でそれを優先してやっていくという考えはございません。
 以上です。

◯分科員(大井としひろ) 阪神電鉄が今,連続立体交差になってますよね。阪神電鉄は立体交差にして地下に入っているんじゃないですか。

◯谷口住宅都市局市街地整備部長 今現在,芦屋市境から魚崎まで連続立体,今,地上にあるのを空中にというか,高架にしようとしています。それから,さらに西へ行きますと,春日野道の手前ぐらいから地下へずっとおりていって,三宮駅については地下,ずっと西のほうまで地下という状況でございます。

◯分科員(大井としひろ) だから,言ってることとやってることが逆なんですよ。阪神はそういうことでやっておられるんですよ。全然できるわけで,それを今,この三宮の都心の開発をするときに,どういう形でやっていくのが一番いいかというと,この高架,やはりもう老朽化しておりまして,阪急もJRも,もうまさに老朽化している。あれを何とかしないと,幾らすばらしい建物をつくっても,あれはいかがなものかということになると思いますよ。そういうことを考えると,全体的に全部さらんぱんにして,新しいものを考えていくというときに,どういう方法があるかというときに,こういう方法もあるよねと。こういう提案は神戸市は当然するべきやと思いますよ。この前,久元市長は,JRの壁は高いと,そういう言い方をされておられましたけれども,なかなかJRというのは,いまだに国鉄というそういう意識がお強いようで,なかなか私たち,地方の声というのは聞いていただけない部分も──私たち須磨でエレベーターをつけるのに経験しましたからよくわかりますけれども,だけど,それはやっぱり言っていかないと。そして,最終的には神戸のまちのためになることだと思いますよ。もう1度お聞きします,局長。

◯山崎住宅都市局長 地下化につきましては,なかなか技術的にも,事業費的にも厳しいということはございますけれども,長いタームで都市の構造をどう考えていくんだというようなことを考えましたら,委員御提案のような地下化をしていくということも,1つの選択肢ではあろうかなというふうには思ってございます。具体的に,そんなら検討をすぐしていくという段階には,ちょっと至ってないのかなというふうには思いますけれども,長期的な視点で,神戸の都心をどう考えいくんだというときには,そういうことも含めて研究をしていく,検討していくということが,やっぱり必要ではないかというふうに思ってございます。

◯分科員(大井としひろ) もう少し,ちょっと別の観点からお聞きしますけども。2001年に大深度地下法というのが設定されてまして,地下空間は公共の事業では使えるようになったわけです。神戸市も大深度水圧鉄管──水道のトンネルはもうこの大深度地下掘って,このあれでつくっておられるんですけれども。実は,この大深度地下,例えば地表から40メートル,建物の支持基盤から10メートル,その下の部分は公共が開発する場合には,土地のあれも一切全部収容することもなく,全て使えるというような空間が地下には広がっておるんですけれども。こういう地下を活用する──一応,この近畿圏では京都や大阪と兵庫県,奈良ということで,この神戸もそういうことでは使えるようになっておるんですけど,そんなアイデアというのはお考えになったことはあるんですか。

◯山崎住宅都市局長 鉄道を地下化する際に,その大深度法の活用が可能かどうかということについては,ちょっと検討したことがございませんので,そういったことについては可能かどうか,ちょっと今の段階ではお話はできないんですけれども,例えば,今検討されてます名古屋から東京間のリニアですね,あれはまさに大深度地下法を適用してやっておるというふうに聞いてございますけれども,部分的に駅部ですね,特に名古屋駅のところなんかは,現在のJRと直行するような形でリニアが入ってくるんですけれども,それについては,駅の前後,やっぱり1キロぐらいの間は収容をかけて,上を全部撤去するというようなやり方でやってるというふうに聞いてございます。それがそのまま三宮に当てはまるというわけではございませんけれども,そういった法的な制約もあるというようなことでございまして,そんなことも含めて検討する必要があるのかなというふうに考えております。

◯分科員(大井としひろ) そしたら,今度は阪急の相互直通運転ですけれども,この問題というのは,阪急の社長は前向きに神戸の未来を考えるに当たり検討すべき事項ということで,前向きに考えていただいておるようですけれども,この阪急相互直通運転に関する阪急と協議を行っておられるのか。また,阪急相互直通運転については,今後の状況に応じて,神戸の都心の未来の姿将来ビジョンや,三宮周辺地区の再整備基本構想に反映していくようなことがあるのか,お伺いします。

◯岩橋住宅都市局計画部長 阪急の相互直通につきましては,以前から阪急の社長さんのほうから,かなり前向きにこういったことをしてはどうかというようなことが,御発言をされてございます。我々としても,そういったことでございますので,どういうことを構想として考えられているのかというようなことで,昨年度その構想について御説明をいただきました。内容につきましては,こういうところで接続したらどうかとかいうような,まだアイデアレベルのものかと考えてございます。それをするとどれぐらい神戸の効果があって,どんなデメリットがあって,事業費が幾らかとか,そんなところまで踏み込んだものではございませんので,現在ではそんなレベルのものかなと。ただ,それをしますと,神戸の旅客の動向とか,そういったものが大きく変わることになると思います。例えば,地下鉄沿線への影響とか,反対にほかの鉄道に与える影響とか,そういったことも費用も含めて検討していく課題はたくさんあるかなと思ってございます。
 将来ビジョン,再整備基本構想への位置づけということですが,これ検討していく内容はかなり経済的なもんもありますし,技術的なもんもございますので,多々にありますので,すぐに結論を出して,やるやらないというのは,なかなか判断のできないとこでございますので,ただ,そういう検討を進めて,相互直通運転に一定の方向性が出れば,将来ビジョンであるとか,再整備基本構想について,どのように盛り込むかは検討していきたいと考えてございます。

◯分科員(大井としひろ) 阪急が,要するに直通運転で地下に入ってこれるんだったら,JRも入れますよ。だから,その辺はよくJRにも,その辺,話をしていただいて,この阪急の相互乗り入れですけれども,何も三宮駅で入らなくてもいいんじゃないかな。というのは,交通局のOBの方に,1度昔聞いたことがあるんですけども,高速神戸のあのあたりでは,壁隔てたぐらいで地下鉄と並行して走っているようなところがあるようなことを聞いたんですけど,そういう──ちょっとそれは定かでないんですけど,そんなことは検討されているのかどうかわかりませんけども,ぜひそういう形で相互乗り入れをしていただきますと,西神の方々が大阪へ皆,お客さんを持っていかれるとか,そういうことでなくって,皆さんが便利になることにもなりますし,大阪の働いておられる方々も,西神,須磨あたりが全部通勤圏になるわけです。そういうことを考えますと,いろんな意味で,デメリットもあるんでしょうけれども,たくさんのメリットもあると思いますので,ぜひこの問題については前向きに考えていただいて,私,阪神電車で板宿から電車に乗って,通天閣までどっと行けるというのにびっくりしましたけれども,それぐらいもう阪神,阪急,地下鉄やJR,皆,乗り入れて,あの辺,大阪はすごいことになってるなと,1度行って感心して帰ってきたことがありますけれども,やはり神戸もそれぐらいいろんなところが乗り入れていただいて,そして大阪まで便利に行けるようになれば,大阪の方々も,逆にニュータウンに移り住んできていただけるということにもなりますので,ぜひよろしくお願いします。
 そうしましたら,京都の四条通りで,御存じですかね,市長が歩道を広げられましてね,そして車道を2車線にして大渋滞になって,そしていろんな物議を醸して,もう1度また広げられたというようなことになっておるんですかね。そういうことになっておるのか,要は,十分なシミュレーションをされたんだと思いますけれども,やってみればというようなことにもなっておりますんで,ちょっと京都の方から,ああいうことには大井さん,神戸の三宮はしたらあかんでと,ちょっときのう,おとつい言われましたんで,ちょっと言っておきます。
 それで,三宮の周辺,私も本会議で久元市長に,やはり人が主体のまちづくりをしてほしいと,できることなら,あの大きな道路をもう車線を大きく減らしてということを申しましたけれども,ただ,三宮のあたりは商店街,要するに商売人の方々のまちでもあるんですよね。この方々がお商売される方々の車というか,そういういろんな業者のトラックとか,こういうのはやはりよく優先順位でいくと上のほうに上げとっていただかないと,京都の四条通りのようなことになりかねないなと思っているんですけど,どうでしょう。

◯岩橋住宅都市局計画部長 本当にビジョンなり再整備基本構想をつくるときに,人に優しい空間をつくっていくんだというのを,ビジョンの中でも,うたってございます。昨年,実はビジョンとは直接一緒ではないんですが,元町の大丸周辺で歩道を広げて車道を狭めるという交通社会実験をさせていただきました。まさにそこで出た課題が,荷さばきの車ですね。それは車道を狭めても,やはり毎日の商業に影響するものでございますので,そういったものをどうするかというのをちゃんと解決しないと,そういうことは難しい。それから,例えば観光バスが停車するとか,そういったことも課題として考えてございます。そういったことも現在,社会実験の結果を得て,どういうふうにするとスムーズにそういう人と公共交通に優しい空間をつくっていけるかというようなことを検討してございまして,四条河原町の事例も勉強させていただいて,そういったことは今後も検討を進めてまいりたいと考えてございます。

◯分科員(大井としひろ) そうしましたら,神戸の都心の未来の姿ということで,将来ビジョンや三宮周辺地区の再整備基本構想の合同報告会において,委員の方から,今後これらを進める上で,体制などについての意見があったように聞いております。ビジョンや構想の作成に当たっては,関係局と連携し,住宅都市局が中心となってリードしてきたと思うが,その実現となると住宅都市局のリードで全てが進むとは考えにくいと。スピード感を持って各種事業を実現していくに当たり,今後の住宅都市局の役割をどのように考えておられるのか,お伺いしたいと思います。

◯山崎住宅都市局長 御指摘いただきましたように,9月3日の合同報告会で,委員のほうから,いい案ができたんだけれども,これをいかに推進をしていくのかということが大事で,その意味では,推進をチェックをする,どういう形でチェックをしていくのかというようなこととか,それからやっぱり計画にある程度柔軟性を持たせて,新しい施策の議論を継続し,新たな案が出てくれば,それを反映するというようなことが必要ですと,こういう御意見をいただいております。今後もそのビジョンなり再整備基本構想を推進していくのは,まさに我が住宅都市局が中心となるんですけれども,やっぱり関連する部局,経済の関係でありますとか,それから商業の関係でありますとか,観光の関係でありますとか,そういったことがございますので,庁内で一丸となって,そういう推進体制をつくって,ビジョンなり構想が実現するように積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

◯分科員(大井としひろ) そしたら,次の質問に移りたいと思います。計画的開発団地のリノベーションについてということで,先ほどもいろいろ西神の関係でありましたけれども,私の場合も,須磨のニュータウン,高倉台も含めてでございますけれども,ちょっとこの辺のニュータウンの話で。
 実は,本会議でも少しちらっと申したんですけども,大都市の行財政制度に関する特別委員会に参考人で,一橋大学の副学長の辻先生にお越しいただきまして,この大都市の問題についてのお話をお聞かせいただいたんです。そのときに,辻副学長からお話があったのが,人口問題の話がすごく資料も含めてございましてね,そんな中で,やっぱり大都市,神戸市のこういう政令市が結局は勝ち残っていくと。そういうところにどんどん人が集まってくると。高齢者もそういう方々もどんどん集まってきて,人口密度が濃いほど,福祉行政やいろんな行政のサービスもいろいろ展開できると。そういう意味ではということで,私,ちらっと別の──委員長だったんで,別のところで辻先生とお話させていただいたら,須磨は消滅可能性都市なんですと,どんどん人が減ってるんですという話をしましたら,いえ,全然大丈夫,まだまだ須磨やあの辺のニュータウンはまだまだ価値はある,まだまだ人は押し寄せてくるよと,そうおっしゃられました。ただ,間引くところは間引かなだめよねと。ただ,今先ほどもお話がありましたけれども,高齢者の方ばっかりが集まってきますと,なかなかそこに若い人が入るというのは難しいわけです。ただ,この前の有識者の会議のレポートなんかを見ますと,お父さん,お母さんがお住まいの息子さんたちがどんどん移り住んできていただいたり,そういう方々が一定数の割合で入ってきていると。そういうことを考えると,やっぱりあそこのニュータウンを若い人が入っていただけるようなスペースなり間取りなり,そういうのをいろいろ工夫されて,若い人が──それも若い人にそういうデザインをしていただいているんだと思いますけど,まだまだ足らないと思いますね。その辺を上手にすれば,あのニュータウンのあたりにも若い人,まだまだ住んでいただけるっていうことを聞いておるんですけど,その辺の見解が何かあれば。

◯山崎住宅都市局長 須磨ニュータウンにつきましては,御指摘のように辻副学長さんの見識も,まさにそういうことだろうと思いますけれども,まさにニュータウンというのは,都市基盤がきっちり整っておると。道路もあり,公園も広々とした公園があり,それから中心の商業施設もしっかりしておるということからいきますと,消滅なんていうのはもうとんでもないことで,やっぱりそういった基盤の維持をして,快適な居住空間というのが確保されておるわけでございますから,あとは住宅をいかに若い人に入ってきていただくのかと。そういったところが人口をできるだけ維持をしていくという中で,非常に重要な問題だろうというふうに考えてございまして,そういう意味で高倉台におきましても,中層住宅の再生というようなことを主眼に置いて,地域の方もそういったことを今後検討していこうということで議論をされておるところでございます。
 中層住宅,現在のところは5階建てのエレベーターのない階段室型の住居が多いということで,非常に使い勝手が悪いということで,人が出ていくというような傾向があるんですけれども,そういったとこについても,いろんな形でリノベーションをすると。委員おっしゃったように,若い方,デザイナーにデザインをしてもらうということも含めて,若手の方に住んでいただけるような,そういう中層住宅というのをつくってくれば,若い人を呼び込むという,そういう可能性は十分出てくるんではないかなというふうに思ってございまして,我々としても,そういうことについて,可能なことをできるだけ展開をしていきたいというふうに思ってございます。

◯分科員(大井としひろ) 高倉台のワークショップは,僕,結構入らせていただいて,皆さんと一緒にやりとりをさせていただいてまして,いろんなアイデア,いろんなお声が出てるんです。ただね,やはり一番大きなところでいくと,中層の住宅,ここらをどうするかと。できることならもう1度──私はこれをもう少し中をうまく上手にすれば,若い人が移り住んでいただけると思ってますけども,その中層を一度さらんぱにして,大きな高層階の高層の新しいマンションみたいなのにつくりかえてほしいと。上に入っていただいている,新しく入られた方々の資金で建てかえられるんじゃないかなというようなことをおっしゃられた方がおられたんですけれども,コンサルの方は,はっきりと,そんなものではできませんと。やはり,今おられる方々にも2,000万円ぐらいのお金は出してもらわないとできないみたいなことを言われて,それでいきなり皆さん,しゅんとなったんですけれども。だけど,そういうことも含めて議論していけば,その2,000万円をどうしたら工夫できるかなと。久元さんに一遍,須磨の高倉台の土地を買ってくださいと。買っていただいて,その土地をスポーツ施設につくりかえていただいて,その費用で高層の建物とかどうですかというようなことを申したんですけど,そんなアイデアはどうですか。

◯山崎住宅都市局長 確かに今現在の状況を考えたときに,一応用途・容積が決まっておりまして,そういう容積の中で一定,その容積を満たすような形での建物ができておりますので,容積に余裕があれば,新しい建物を建てて,その上の部分を売却をして建てかえ費用にかえていくと,こういうことが可能なんですけれども,今現在の段階では,ちょっと難しいのかなと。そういったことを実現するには,何か新たなやっぱり制度とか,それからあるいは民間のノウハウとか,活力とか,そういったものを何らかの形で導入をしていくというようなことが必要ではないかなというふうに思ってございます。

◯分科員(大井としひろ) 今,ニュータウンで結構あいてるところというのはどういうとこかといいますと,URですよ。URの建物のところが結構あいてるんです。それも歯抜けのように。これを何とかするっていうのは,やっぱり神戸市はURの皆さんといろんな意味で協議会みたいなのをやっておられるんだと思いますけど,その辺のお話というのは,ちょっとどういうことになっているのか,お聞かせいただけませんか。

◯岩橋住宅都市局計画部長 URさんとは,このニュータウンのリノベーションだけではなくて,いろんな場面で御一緒しますんで,URさんがいろいろ展開されている事業なんかも御紹介いただいてます。そうした中では,URさんもやっぱりそういう賃貸住宅の空き室というのを非常に気にされてまして,例えば無印良品と組んだようなリノベーションをして,若者に入っていただくとかいうこともしてます。そういったことも,我々も勉強させていただきながら,いろんな仕掛けを考えていきたいと思います。

◯分科員(大井としひろ) ぜひ,三宮の元町あたりで,貝原さんがおっしゃられたような1階部分に喫茶店やレストランが,例えばニュータウンに1階部分にそんなんがあってもええかなとか。今まで考えたことないようなことをいろいろ工夫されて,そういうことをすれば,いろんな若い人たちがそこに入ってきていただいて,お商売していただいて,おじいちゃんらと,というような,そんなこととか,いろいろ考えれば,いろんなアイデアがまだまだ出てくると思いますよ。そうすることによって,ニュータウンにもう1度若い人たちに移り住んできていただいて,そして子供さんたちがにぎやかにわいわいとっていうような,まさに局長がおっしゃられたように,公園とかいろんな施設が完備して充実してますんでね,ぜひそういうまちづくりを住宅都市局が中心になって進めていただきたいと,お願いして終わります。ありがとうございました。