神戸市須磨区から発信!
日本維新の会の大井敏弘です。
今日の本会議(令和6年第2回定例市会第9日)一般質問に日本維新の会神戸市会議員団を代表して、久元市長以下執行部に対し、下記の通り質疑しました。
以下質疑要旨

(大井議員)妙法寺駅の再整備・混雑対策についてお伺いします。須磨区の妙法寺駅では、高校生通学定期券の補助制度開始により市バス利用者が増加し、駅前の混雑が深刻化しています。特に朝の通勤・通学時間帯には、駅構内まで学生が溢れる状況です。加えて、40年前に設置されたバスターミナルや1977年開業の駅設備の老朽化も問題となっています。名谷駅のリノベーションのように、妙法寺駅も混雑解消と設備更新を市長部局が主体となって進めるべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。

(副市長)妙法寺駅バスターミナルでは、高校生の通学時間帯(7時~8時半頃)に混雑が発生しており、臨時便の増発や並び列の整理など交通局が対策を講じています。具体的には、9月には乗り場案内表示の設置や職員による列整理を実施し、12月からは75系統の乗り場を移設して列を確保する措置を行いました。駅設備の老朽化対応については、駅南側スロープの改修や駐輪場整備などが進められており、今後も利用環境や安全性を考慮しつつ計画的に対応を進める方針です。

(大井議員・再質問)副市長は妙法寺駅バスターミナルの利用校を3校とおっしゃいましたが、実際には啓明学院、神戸国際中学高等学校、友が丘高校、星城高校など4校が利用しています。現在、利用者列の整備や案内板の設置など改善が進められていますが、点字ブロックが学生の並んでいる列に挟まれる形となっており、視覚障がい者にとって通行が困難な状況です。私は、列を4列に圧縮し、前方に進める形で改善することを提案します。その際、バスターミナルの屋根を4列の列に対応できる形に改修する必要があります。現在の屋根は40年前のもので、雨をしのげる範囲が狭く、悪天候時には視覚障がい者などが弾き出される状況になりかねません。このようなバスターミナル全体のリノベーションを交通局のみで実現するのは難しいと考えます。市長部局が主体となり、妙法寺駅の整備を進めるべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。

(副市長)現在、交通局では混雑対策を進めており、今週月曜日からも新たな対策を講じています。まずは、これらの取り組みの効果を十分に検証する必要があると考えております。ご提案いただいたバスターミナルの屋根改修については、利用者の列を4列に対応できる形にするなどの必要性を含め、混雑状況を見極めた上で慎重に検討を進めてまいります。

(大井議員)名谷駅の点字ブロックは、リノベーション時に視覚障がい者団体の要望を受け、昨年3月に全面的に付け替えられました。(写真を見せる)これにより改善が図られたものの、現状では混雑時に障がい者が列に弾き飛ばされる状況や、雨の日に十分な屋根がない問題が残っています。障がい者の方々にとって、バスターミナルが安心して利用できる環境を整備することが急務です。屋根の改修やスペースの見直しを含め、早急に対応し、障がい者に優しいまちづくりを進めていただきたいと要望いたします。

 (大井議員)AIの活用における安全性の確保についてお伺いします。近年、AI技術の進化により、行政分野での活用が期待されています。しかし、AIの導入にあたっては、情報漏洩リスクへの徹底した対策と安全性の確保が不可欠です。本市では、全国初の「神戸市におけるAIの活用等に関する条例」に基づき、リスクアセスメントを行い情報漏洩対策に取り組んでいます。一方で、実際に安全性が十分に担保されているのか、またリスクアセスメントの結果が適切に反映され、対策が効果を発揮しているかを検証することも重要です。これらについての市の見解をお伺いします。

(久元市長)神戸市は、全国初の「神戸市におけるAIの活用等に関する条例」を9月に施行し、リスクアセスメントを通じてAIの安全性を確保しています。市民に重大な影響を与える場合には約50項目の詳細な評価を、それ以外では簡易なチェックシートを用い、安全性を確認しています。運用開始後、4件のリスクアセスメントを実施し、全て安全性に問題がないことを確認しました。今後も専門家の意見を活用し、適切にAIを活用していきます。

(大井議員)生成AIはわずか2年足らずで急速に進化し、「21世紀の産業革命」とも称されています。たとえば、兵庫県では防犯カメラとAIを連動させ、繁華街での客引き防止に活用する取り組みを開始し、民間企業ではAIを営業や業務効率化に活用する動きが広がっています。また、今日の神戸新聞朝刊には、汚職や収賄事件に関する報道も掲載され、AIが社会問題解決に果たす役割への期待が高まっています。一方、総務省のデータによると、地方公務員による不正(汚職や収賄)は、直近5年間で毎年約80件発生しています。このような状況に対して、内部通報や内部告発といった待ちの対応だけでは限界があると考えます。

民間の監査法人では、過去の不適切な財務データをAIに学習させ、不正の兆候を検知するモデルが開発され、談合や汚職を早期に発見する取り組みが進められています。これにより、企業活動のリスクを軽減し、不正防止の強化が図られています。行政においても、こうした先進的なAIの活用策を積極的に導入し、不正の早期発見や業務効率化を推進する必要があります。特に、AIによるデータ分析を活用することで、汚職や不正を未然に防ぎ、市民サービスの向上につなげることが求められます。これらの取り組みにより、AI活用における安全性の確保を徹底するとともに、神戸市としての先進的な姿勢を示すべきと考えます。これは、要望としておきます

(大井議員)保護司の活動支援についてお伺いします。保護司は、法務大臣が委嘱する非常勤の国家公務員として、仮釈放された者などの保護観察対象者と面接し、更生を支援する重要な役割を担っています。しかし、面接場所の確保が保護司自身に委ねられている現状は、負担が大きいものがあります。

今年6月には、滋賀県大津市で面談中の保護司が亡くなる事件が発生し、安全対策が喫緊の課題となっています。本市としても、面接場所の提供や安全対策の強化を含め、積極的に支援を進める必要があると考えますが、現状と今後の取り組みについて、市のご見解をお伺いいたします。

(久元市長)再犯防止の取り組みは非常に重要であり、その中で保護司の役割は大変重要です。本市では、令和5年度から福祉局に相談支援課を設置し、再犯防止コーディネーターを中心に、出所者の社会復帰支援を進めています。今年7月には、保護司会、神戸保護観察所、神戸市の三者で意見交換を実施し、自宅以外の面談場所確保や安全対策について協議しました。自宅での面談に対する家族の理解が得られないとの声もあり、課題として認識しています。令和6年度予算では、保護司活動の補助金を前年度の2.5倍に増額し、公民館や民間施設などの面談場所利用料に活用できるよう周知を進めています。また、安全意識を高めるため、市職員の知識や経験を保護司に共有する研修を東灘区や北区で実施し、新任保護司向けの研修も進めています。今後も、国の動向を注視しつつ、保護司会や保護観察所と連携し、保護司が安心して活動できる環境整備を推進してまいります。

(大井議員の再質問)他都市では、公民館などの公共施設を面接場所として提供する取り組みが進んでいます。国においても、保護司や保護観察所へのアンケート調査や状況確認を行い、安全対策や体制強化を進めています。

神戸市においても、例えば須磨区役所には個別に利用できる面談スペースが多くあります。不特定多数の方が利用する環境であれば、保護観察対象者も周囲を気にせず面談が可能となります。これらの区役所内の会議室や面談場所を、保護司の活動支援のために無償で提供していただくことは可能でしょうか。市のご見解をお伺いします。

(副市長)保護司会や神戸保護観察所との意見交換会では、公共施設の面談場所としての提供を求める意見がある一方、平日夜間や休日の面談ニーズが高まっている現状から、区役所など時間制限のある施設では利用が難しいという課題も指摘されています。

そのため、神戸市では補助金を増額し、公民館や文化センターなどの公的施設だけでなく、民間の有料会議室も柔軟に利用できるよう周知を進めています。また、各区の保護司会も地域のネットワークを活用し、自宅以外での面談場所確保に取り組んでいます。さらに、国では更生保護サポートセンターの設置が進められており、安全性を高めた環境整備が検討されています。今後も、保護司の意見を伺いながら、面談場所の確保に向けた支援を検討してまいります。

(大井議員の再質問)保護司の担い手不足は長年の課題であり、神戸市では職員の退職者に対して保護司や民生委員への就任を案内する取り組みを進めていると伺っています。しかし、滋賀県大津市での事件の影響もあり、担い手確保は依然として困難な状況にあるのではないでしょうか。

神戸市として、職員や退職者への呼びかけをさらに強化し、保護司の担い手確保に積極的に取り組むべきと考えますが、市のご見解をお伺いします。

(副市長)保護司が担う保護観察対象者の支援には、住居や就労に関する多岐にわたる相談が含まれます。そのため、神戸市職員が職務を通じて得た知識や経験を活かし、更生保護活動に参画することは意義深いと考えています。令和3年度から、定年退職を迎える職員向けに奉仕活動の案内を行い、保護司や民生委員への参画を呼びかけています。現在、市職員から保護司となっているのは全市で20名です。今後も、保護司の担い手確保に向けて、市としての協力方策を検討し、支援を進めてまいります。

(大井議員)保護司の活動は、対象者の立ち直り支援だけでなく、再犯防止を通じて安全な地域社会の実現に繋がる崇高な意義を持っています。しかし、滋賀県大津市での事件から半年が経過し、自宅での面接や家族・周囲の不安により、保護司全体の約2割が活動に不安を感じているという報告もあります。

地方公共団体として、所管する施設や設備を活用し、保護司の活動を支援するための便宜を図ることが必要です。ぜひ前向きにご検討いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

(大井議員)障害者にやさしいまちづくりについてお伺いします。私は過去に神戸市精神障害者家族連合会の会長を務めた経験があり、現在も障害者の家族として日々厳しい現実と向き合っています。今年8月、須磨区役所保健福祉課の窓口で精神障害者手帳の再交付を依頼した際、対応に深く失望しました。

窓口で再交付をお願いしたところ、男性職員に「お兄さんや親族であっても個人情報は教えられない」「再発行はできない」と頑なに拒否されました。私は行政手続きの知識があったため、新たに申請すれば手帳が発行できることを確認し手続きを進められましたが、初めから適切な案内があれば、混乱は避けられたはずです。こうした対応により、精神障害者やその家族の中には手続きを諦め、不利益を被ったケースが他にもあるのではないかと疑念を抱いています。このような対応がなぜ行われたのか、振り返りと改善が必要です。

市民に寄り添った丁寧な対応が求められる中、このような冷たい対応は神戸市の障害者支援の姿勢を反映しているのではないでしょうか。障害者やその家族が安心して手続きできる環境を整備するため、市長のご見解をお伺いいたします。

(副市長)ご指摘いただいた事例については、精神障害者保健福祉手帳の有効期限が過ぎた際の再交付相談において、十分な相談対応ができず、「再交付はできない」と伝えたのみで説明が不十分でした。この件についてお詫び申し上げます。

今回の事例を受け、市役所の担当課長会にて共有を行い、窓口で相談内容を十分に聞き取り、必要な手続きを案内するよう徹底しました。また、新規申請案内の漏れを防ぐため、事務処理マニュアルの見直しも実施しました。

神戸市では、精神障害者を支援するため、国が理念として掲げる地域包括ケアシステムを推進し、地域移行・地域定着支援、就労支援などに取り組んできました。今年度からは退院促進やリーチ支援など新たな事業にも着手し、精神障害者支援を強化しています。今後も精神保健福祉政策の充実に努めてまいります。

(大井議員の再質問)矢田市政と比較すると、現在の神戸市の障害者支援政策は冷たくなったと感じています。精神障害者支援だけでなく、身体や知的障害者支援全般においても、後退しているように見受けられます。現状について、今後の展開も含めて市の見解をお聞かせいただけますでしょうか。

 (副市長)神戸市では、「障害のある人が自らの意思決定に基づき、住み慣れた地域で安心して暮らせる社会の実現」を基本理念とし、「神戸市障害者プラン」を策定しています。このプランは、身体・知的・精神障害や難病を持つ当事者やその家族、支援団体、サービス事業者などから幅広い意見を伺いながら、現状の課題や要望を踏まえて策定されました。成果目標や施策については毎年検証し、着実に取り組みを進めています。

相談体制については、各区役所の保健福祉課が、身体・知的・精神障害に関する相談窓口を担っています。障害者支援サービスが複雑化している中で、利用者の相談内容を丁寧に聞き取り、他の区役所窓口や相談支援機関と連携して対応を行っています。また、障害者相談支援センターを市内19ヶ所に拡充し、身体・知的・精神障害者や障害児、その家族や介護者を含むあらゆる相談に対応できる体制を整えています。

精神保健福祉政策においては、医療機関との連携による精神科救急医療体制の整備や、地域での支援を充実させる「神戸ぴあサポーター制度」、精神科病院からの退院促進などを推進しています。

こうした取り組みを進める中で、増大する事業費の確保や相談体制の充実を図りつつ、区役所や相談窓口の対応力向上にも努めています。今後も、障害当事者や関係者の声をしっかりと受け止め、障害者がより暮らしやすい社会を実現するために取り組みを進めてまいります。

(大井議員の再質問)

精神障害者の支援は現在、健康局と福祉局にまたがっており、市民からすると役割分担が非常にわかりづらい状況にあります。また、保健福祉局時代には見られなかった縦割りの弊害が出始めているように思います。障害者に寄り添った支援策を展開するためには、こうした現状の課題を踏まえ、障害者支援体制の見直しが必要だと考えます。市のご見解をお伺いいたします。

(副市長の回答)精神障害者支援においては、精神疾患の病状により障害の状態が変化しやすく、医療的な側面が大きいことから、保健医療を所管する健康局と、福祉サービスを所管する福祉局の両局で対応しています。これまでも、両局が十分に連携を図りながら、医療面での専門的なケアの提供や、相談・福祉サービスを一体となって提供する体制を整備してきました。

精神障害者支援をさらに充実させるため、当事者や家族、精神科病院、診療所、支援事業者など、さまざまな立場から意見を伺い、課題分析を行うために、今年度新たに「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム協議会」の専門部会を立ち上げました。この部会で出された課題を、福祉局と健康局が一体となって分析し、課題解決に向けた取り組みを進めています。今後も両局が連携を強化し、精神障害者支援に取り組んでまいります。

(大井議員)課題を一つずつ解決していくことで、障害者が地域で安心して暮らせる環境を整える必要があると考えます。地域包括ケアシステムの構築と、関係機関との連携強化により、障害者支援を効率化していただきたいと思います。また、専門職の増員による支援体制の強化や、グループホームの増設、居住支援の拡充を進めていただきたいと願っています。さらに、啓発活動を通じて地域の理解を促進し、雇用促進や職業訓練の充実を図ることで、障害者の自立を支援していただきたいと考えます。これらの取り組みにより、障害者が安心して生活できる環境を整えていただくことを切に願い、私の質疑を終えさせていただきます。原議員に交代いたします。ありがとうございました。

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